週6日勤務、世界で広がる。サボり癖のついた日本人には厳しい現実へ
朝9時から夜9時まで週6日働く「996勤務」、いつかあなたの職場にも?
最近の報道によれば、AIスタートアップ企業が、生産性向上を名目に過労を美化し、「AI競争に打ち勝つ」ために「996勤務」を導入し始めている。先月、Inc.でテケンドラ・パルマーはこう書いた。「中国企業に先んじるため、一部のAIスタートアップは、同国の過酷な勤務制度である『996勤務』を採用し始めている」
「996勤務」とは何か
一部のAIスタートアップは、職場を暗黒時代へと逆戻りさせようとしており、中国では一般的とされる996勤務を導入し始めている。この制度では、従業員は月曜から土曜までの週6日、午前9時から午後9時まで働く。アジアの企業は、従業員の過重労働で知られており、慢性的な職業性ストレスが管理されないまま進行し、やがて燃え尽き症候群に至ることも多い。これが放置されれば、過労死に繋がることもある。
専門家らは、午前9時から午後9時までの週6日勤務という文化を、企業による虐待だと非難している。しかし、一部のトップ経営者たちも、極度に長時間働いている。報じられたところによれば、グーグルのマリッサ・メイヤーは、週に最大で130時間働いたことがある。Appleのティム・クックは午前4時30分にはメールを送信し始める。そして、テスラの創業者兼CEOのイーロン・マスクは、週に120時間働くことで知られている。
一部の経営幹部は、自身の996勤務に従業員も追随することを期待している。2022年、マスクは、彼が企業による奴隷制度、労働虐待、そして燃え尽き症候群を助長しているとして世間から非難を浴びた。中国のテスラ従業員が午前3時まで熱心に働くことを称賛しつつ、米国人については「働こうとすらしていない」と発言した。
同年、マスクは社内のリモートワーク廃止を宣言し、7000人いた従業員のほぼ半数を解雇した。2022年に私が行った、Delivering HappinessのCEOであり、ベストセラー『Beyond Happiness: How Authentic Leaders Prioritize Purpose for Growth and Impact』の著者でもあるジェン・リムとのインタビューで、マスクが従業員を人間ではなく、企業活動によって巻き添えを食うだけの存在として扱っており、基本的な人間の尊厳すら忘れていると彼女は非難していた。