全国で”現場監督”が不足、建設会社が悲鳴「未経験者や中卒が現場に入っちゃう!」
建設業界は人手不足状態の終わりが見えない状況だ。少子化の影響で施工を担う若い現場作業員が足りない――。一般的にはこう理解されているが、実は、現場監督である「施工管理者」の不足も危機的状況だ。下請けが多い現場作業員に対し、施工管理者は建設会社に雇われた技術者であることが多く、相対的に好待遇であるにもかかわらずだ。
しかし、一部の建設会社では依然として、夕方に作業を終えた現場作業員が帰った後も、施工管理者が夜遅くまで残業して書類業務をこなすという働き方が残っている。施工管理者のサービス残業が常態化し、規制を超えた分の残業代を払ってもらえず、結果的に給料が下がった例もある。長時間労働という点では、現場作業員より施工管理者のほうが深刻と言える。
こうした劣悪な労働環境に嫌気がさす技術者が多い。特に残業規制が適用されて以降、施工管理の経験を積んだ技術者が建設業界外に転職する流れが加速している。東証プライム上場のある専門工事会社では、30代の施工管理者が数える程度しか在籍していない状況という。