国立大の運営費交付金、配分を見直しへ 物価や人件費上昇に対応
運営費交付金は、04年の国立大法人化に伴って導入された。それ以前は国が教職員の定員を決め、人件費や光熱費などを実数に応じて支払っていた。交付金は教員数の増減などを考慮せず、それまでの配分実績を基に算出するようになった。
科学研究費助成事業(科研費)に代表されるような競争的資金が増加傾向にあるのに比べ、運営費交付金の総額は少子化や国の財政難などを理由に削減が続き、近年はほぼ横ばいとなっている。25年度は1兆784億円と、04年度比で13%減となり、物価や賃金の上昇により実質的に目減りしている。各大学の財務状況が逼迫(ひっぱく)する要因となっており、競争力の低下を招く悪循環となっている。
このため、文科省は物価や人件費の高騰を反映する配分方法に見直す。文系に比べ、理系に重点配分することも検討する。同時に、現行の「ミッション実現加速化経費」のように各大学の取り組みを支援するため、指標などにインセンティブを持たせる仕組みも検討する。
一方、関係者によると、文科省の26年度予算の概算要求は総額6兆599億円となる見込み。運営費交付金の要求額は、25年度比6%増の約1兆1400億円になるという。【木原真希、斎藤文太郎】
毎日新聞 2025/8/26 06:00(最終更新 8/26 06:28)
https://mainichi.jp/articles/20250825/k00/00m/040/261000c