👴俺みたいになるなよ…〈年金336万円・資産1億円〉の大金持ちが、高級老人ホームで担当ヘルパーにだけ明かした「一生涯の後悔」
Aさんは、都心から1時間圏内にある、とある高級老人ホームに入居していました。「悠々自適なゆとりのおひとり様」「万一の備えも万全」と、理想的な老後生活を送っているようにみえます。
しかし、入居から半年。担当の介護職員にAさんが漏らした言葉は、周囲からの想像とはまるで違うものでした。共有のカフェスペースのゴミを回収していたAさんの担当ヘルパーに、ふとつぶやきました。
「俺みたいになるなよ……」
Aさんの視線の先には同じホームに暮らすほかの入居者の横顔がありました。
「あの方はね、子どもが2人いてどちらも遠くに住んでいるそうなんだけど、月に1回くらい娘さんが訪ねてくるんだよ。孫娘が一緒に来るときや、花束を持ってくるときなんかもあってね。家族の誕生日もお祝いしているそうだよ」と入居者は囁きます。
Aさんはもともと体力には自信があった方で、現役時代は仕事一筋だったそうです。平日は深夜まで働き、土日もゴルフや接待。一度は結婚しましたが、妻はそんな生活に早々に嫌気がさしたのか、子どもをつれて離婚。ひとり息子との接点は月に1回養育費を送る際の交流のみだったといいます。
Aさん自身、正直なところ仕事での付き合いのほうが楽しく、子育てにかかわることをわずらわしくも思っていたため、おひとり様生活を満喫していたのですが……。養育費の支払いが終わってからは、気づけば年賀状のやりとりすらなくなっていました。
「俺には会いに来てくれる人は一人もいないんだよ。誰も俺とは一緒にいたくないそうだ」
その目には、寂しさと深い虚無がにじんでいました。
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