【ふるさと納税】多額の市税流出に悩んでいた横浜市と川崎市、納税急上昇…宿泊券・運転体験・家電など返礼拡充

1: 2025/09/07(日) 14:17:37.48
 ふるさと納税で毎年多額の市税流出に悩む横浜市と川崎市が、寄付の受け入れ増加に取り組んでいる。総務省が発表した2024年度の「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、両市の寄付受け入れ額はいずれも過去最大で、前年度比で横浜市は2・4倍、川崎市は1・6倍となった。(金子祥子)

 両市は近年、ふるさと納税の受け入れに積極的に取り組み、24年度には寄付できるポータルサイトの数を増やしたり、返礼品の拡充をしたりしてきた。

 横浜市は24年度、前年度比約17億円増の約28億8000万円の寄付を受け入れた。みなとみらい地区の人気ホテルの宿泊券や食事券といった返礼品を充実させた。また、金沢区などを走る「シーサイドライン」の運転体験、神奈川区にあるマツダの研究開発拠点でエンジニアによるドライビングレッスンを受けられる権利など、マニア向けの体験型返礼品も導入し、話題を集めた。

 横浜市財源確保推進課の担当者は「返礼品に力を入れた効果がじわじわと出てきている。『横浜ってこういう場所もあるんだ』と魅力を知ってもらうきっかけにもなれば」と話す。

川崎、横浜市への寄付額の推移(図略)
 川崎市は24年度、前年度比約10億円増の約26億2000万円の寄付を受け入れた。市内に開発拠点を置く東芝の家電製品、電子レンジや圧力鍋を返礼品に加えるなどし、今年3月時点で返礼品数は850品と、前年同期比2倍以上になった。

 寄付で使えるポータルサイトの数も3から14へと、大幅に増やした。物価高で節約の機運が高まったこともあり、トイレットペーパーや洗剤など、日用品の返礼品を目当てにした寄付が大幅に増加したという。

他自治体へ流出も増
 一方、両市の市民が他の自治体にふるさと納税を行うことによる市税減収額も、増加を続けている。

 横浜市の24年度の税減収額は、前年度より約33億円多い約298億円。川崎市も、前年度より約15億円多い約138億円の減収となっている。

 全国の自治体の大半は、ふるさと納税による減収分の75%が地方交付税で 補填ほてん されているが、税収が潤沢で地方交付税の「不交付団体」となっている自治体は対象外。川崎市は不交付団体で、減収分の補填が受けられない。同市は、県内の他の不交付団体の自治体とともに、制度改善を求める要望書を国に提出するなどしている。

 川崎市資金課の担当者は、「ふるさと納税による減収額は、市のごみ収集・焼却の年間費用に相当する。市外からの寄付を集める努力をしつつ、ふるさと納税制度自体、これでいいのかという要請を継続していく」と話した。

読売新聞 2025/09/07 14:01
https://www.yomiuri.co.jp/national/20250907-OYT1T50025/


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